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コウヤノマンネングサの最後はどうなる?苔の一生コウヤノマンネングサ編

みなさんこんにちは。

コウヤノマンネングサの栽培農家、西予苔園のこけみざわです。

本日は、コウヤノマンネングサの生態について、どの苔辞典にも載っていないめずらしい現象を確認しましたのでその内容をお伝えします。

コウヤノマンネングサの最後はどうなるのか

苔はその種類によって様々な生態がありますが、コウヤノマンネングサのような大型の苔はどのように生まれ、最後はどのような状態になるのか不思議に思ったことは無いでしょうか?

苔の辞典などを見ても、その苔の誕生から最後までの生態を詳しく解説したような辞典はさすがにありません。

また、インターネット上の情報を見ても、苔の増やし方や新しい芽の出し方などはチラホラ見かけますが、苔が最後どうなるか?までのマニアックな情報はあまり見ることは無いですよね。

ホソバオキナゴケなど小さな個体が集まってコロニーを形成する苔もあれば、ヒノキゴケのように1本ずつ株を生やして密集しコロニーを形成する苔もあり、ゼニゴケやジャゴケのように這いながら周りを覆うようなタイプもあります。

そして、今回ご紹介する苔の中でも大型の苔であるコウヤノマンネングサも独自の生態を持っています。

 

コウヤノマンネングサの最後の姿がこちら

コウヤノマンネングサの最後がどうなるのか。結論をズバリお見せしますとこのような状態です。

この画像のように赤茶色にしおれて株元に横たわっている状態がコウヤノマンネングサの一生の最後の姿です。

栽培しているコウヤノマンネングサの株元には、このような状態のコウヤノマンネングサを良く見ることができます。

自生している環境のコウヤノマンネングサのコロニーの中にも、このような赤茶色にしおれた状態の株を観察することが良くあります。

なぜ赤茶色に変色するのか?

そこで、私は以前より疑問に思っていたことがあります。なぜコウヤノマンネングサの最後は赤茶色にしおれるのか?ということです。

カビや病気で株が傷んだり、水分不足や栽培状態が悪く枯れてしまうのとは別として、良いコンディションの状態で育ったコウヤノマンネングサの最後はどのようになるのか?ということは以前より気になっていましたが、このような赤茶色に変色してしおれて無事にその生涯をいわば寿命という自然の摂理によって正常に遂げた最後の姿は、必ず赤茶色にしおれる。その姿を良く見ることはあっても、なぜ赤茶色に変色するのか?という原理はわかりませんでした。

赤茶色に変色する理由を発見しました

そしてついに、その理由がわかりました。

コウヤノマンネングサの最後の自然な形は赤茶色に変色してしおれてしまうその原因、それは枝葉の葉が全部落ちて枝だけになるということでした。

この画像を見てみてください。

このコウヤノマンネングサは新芽を出したあとの元株が一次茎化して横たわっていた状態の株です。

枝葉は半分が赤茶色にしおれて、半分はまだもとの枝葉の状態をしています。

収穫した栽培コウヤノマンネングサの株の元株から発見しました。

コウヤノマンネングサの最後は枝のみとなるので赤茶色にしおれる状態になる

この半分赤茶色にしおれた一次茎化した元株を良く観察すると、3つの状態の枝葉を観察することができます。

  1. まだ枝に葉が残っている部分
  2. これから葉が取れそうな枝の部分
  3. 葉が全て取れて枝だけの部分

の3つの状態が良く観察できます。

このように、画像を良く見ると赤茶色にしおれた部分は、枝の部分だったということがわかります。

この状態の株を発見して「なるほどー!」となりました。

この株を発見して、コウヤノマンネングサの最後がこのような生態になるのか!と改めて発見することができ驚きました。

どの苔辞典にも掲載されていないコウヤノマンネングサの生態だったので、改めて自分で発見することができて嬉しかったです。

ちなみに、コウヤノマンネングサの誕生からこのような状態になるまでも簡単に説明しておきます。

コウヤノマンネングサの一生

まずはコウヤノマンネングサの誕生の部分、新芽を出す状態がこちら。

コウヤノマンネングサの誕生

このように、基本的にはもとの株の一次茎から直立した状態の二次茎を出すように新芽を出して新たなコウヤノマンネングサが誕生します。

これは栄養繁殖と呼ばれる繁殖です。学術的な言い方をすると無性繁殖と言います。簡単に言うとクローンのように新たな個体を誕生させるんですね。

コウヤノマンネングサは、一次茎からこのように新たな株を出すこともありますが、どの部位からも新しい新芽を出すことが可能です。茎であったり葉であったり、株をハサミなどで切断して蒔いておくと、どこの部位からも新しい芽を出します。これを蒔きゴケと言いまして、苔の繁殖栽培などでは蒔きゴケをして栽培する手法が取られることがあります。

コウヤノマンネングサは無性繁殖とは別に有性繁殖と言いまして、胞子を出して繁殖する方法でも繁殖することがあります。しかし、コウヤノマンネングサの有性繁殖は稀と言われています。私もコウヤノマンネングサの有性繁殖の特徴である胞子や蒴(サク:たまごけが付ける丸い玉のような部位)を見たことは一度もありません。

ちなみに、こちらはヒノキゴケの蒴(サク)です。ヒノキゴケも胞子を出すのはかなりレアなんじゃないでしょうか。これは私が栽培しているヒノキゴケをストック保管している個体で見つけることができました。自生しているヒノキゴケの蒴は私も見たことはありません。

コウヤノマンネングサの成長

新芽を出したコウヤノマンネングサは、新しい芽から枝葉を伸ばしどんどん成長していきます。

新芽を出したあと半年ほどで立派な株に成長します。

栽培の状態が良ければこの画像のような姿に半年もかからず成長します。

中にはすでに新芽を伸ばそうとしている株もチラホラ。

西予苔園の栽培圃場でも、このようにトレー栽培をしていますが、立派に新芽が成長してくれています。

栽培圃場ではカナヘビさんがコウヤノマンネングサ株の品質管理のチェックに来てくれます笑。可愛い。

そして新たな新芽を出す

新芽として成長した株は、また新たな新芽を出すようになります。

環境によっても変わってきますが一般的な自生環境の場合、夏の時期は自分自身の株の成長のプロセスになり、そのあと秋頃の涼しくなる時期にまた新たな新芽を出すようになります。

新芽を出し始めた株は、その後枝葉の色が少しくすんでくるような状態になります。鮮やかな緑色だった枝葉が少し濃い深緑のような状態になります。

そして、新芽が成長してくるようになると、元株はどんどん色が濃くなります。

これは、新芽を出した翌年の元株。新芽が元株のように大きく成長する頃にはこのように元株は濃い緑から茶色に変色してくるように。

新芽を出して親株の大きさに成長するにはほぼ1年ほど経過していることになります。

もちろん、新芽を出した元株も青々とした鮮やかな緑色を保った状態で何年も過ごしている株もいますし、早いものだと1年も経過しないうちに茶色に変色する株もいます。

栄養繁殖によって元々の株が生育している環境によって、栄養状態が良い状態で一次茎をうまくつなげることができた株は青々としままになるんでしょうし、1株だけしかつながっていない状態で新芽を出すと元株の衰退が早かったりということではないかと思っています。

茶色から完全な赤茶色に

新芽の成長とともに衰退が始まった元株は、茶色に変色しながらその役目を終えたかのように横たわり、株下に沈んでいきます。そして、この記事の冒頭に掲載した画像のように枝から葉が全部抜けて枝のみの状態となり、そしていずれは分解され土壌へと還るのでしょう。

これがコウヤノマンネングサの一生の生態です。

栽培のために播種したばかりの栽培コウヤノマンネングサのトレーの状態。元株を土の上に横たわらせておくと、このように新旧入り乱れた状態のコウヤノマンネングサを観察することができます。

手前には1株だけオオカサゴケの姿も。栽培トレーが近いのでなにかのきっかけで混ざったんでしょうね。

 

という感じで、コウヤノマンネングサの最後の生態をご紹介しつつ、コウヤノマンネングサの一生をレポートしてみました。

まだまだ謎に包まれているコウヤノマンネングサの生態。栽培を通じて新たな発見がありましたらまたレポートしたいと思います。

みなさんも、コウヤノマンネングサに関する疑問などありましたらいつでもご質問お待ちしております。

西予苔園のLINEアカウントでもご質問を受け付けておりますし、YouTubeのコメントやメール、TwitterInstagramのDMなどでもお気軽にご連絡ください。

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