コラム

サウナのまち、心身ともにととのう場所に、苔のある坪庭でつながりを生む景色に

サウナ施設の外気浴エリア。 心身共にととのうサウナ施設で、調和の取れた枯山水の坪庭の苔のある風景を見ながら、心の底からととのい体験とその空間に集う人たちのつながりが生まれるスペースと風景でサポートする。 苔の張り替え施工をさせて頂きました。

公開日:

こけみざわ ゆうき

施工事例読了目安 約3分
サウナのまち、心身ともにととのう場所に、苔のある坪庭でつながりを生む景色に

サウナ施設の外気浴エリア。

サウナ施設saunadaysの外観
大分県豊後大野市の大野駅前にオープンされたsaunadays様外観。

心身共にととのうサウナ施設で、調和の取れた枯山水の坪庭の苔のある風景を見ながら、心の底からととのい体験とその空間に集う人たちのつながりが生まれるスペースと風景でサポートする。

苔の張り替え施工をさせて頂きました。

張り替え後の坪庭。壁の横長の開口越しに、苔の起伏と白砂利、据えられた景石が見える

デッキ側から見下ろした坪庭。苔のあいだを白砂利が横切り、左右に景石が据わる

苔が一面に広がる坪庭を斜めから。白砂利が奥から手前へ流れる

陽の差し込む坪庭。白砂利の帯に沿って、苔が起伏をつくる
壁の切れ目から覗いた坪庭。奥へ苔と白砂利、景石が続く

サウナ施設の中庭の和風空間の苔山の再生施工

大分県豊後大野市は、「サウナのまち」を宣言する市。2026年6月1日にオープンしたsaunadays様の、外気浴スペースの一番奥にある約4㎡の坪庭。

当初はスギゴケで苔を施工されていたのですが、施工直後からスギゴケがうまく定着せず枯死していく状態。

施工して数ヶ月で最初に施工したスギゴケがすぐに痛みが出てきた状態で、苔庭ドクターにご相談を頂きました。

スギゴケが傷んだ要因を特定

施工前の坪庭。スギゴケが赤茶色に枯死し、地面が露出している

スギゴケがなぜ施工後に急速に傷んだのか、その原因を調査。

  1. 仕入れたスギゴケの成長の問題
  2. サウナ施設の水質の問題

この二つが見えてきました。

1.仕入れたスギゴケの成長の問題

枯死して赤茶色になったスギゴケの寄り。ところどころに雑草が生えている

最初の作庭の際に仕入れられたスギゴケは5cm以上成長したスギゴケのようでしたが、施工後すぐに倒伏したようです。5cm以上成長したスギゴケは輸送の段階、施工後環境が変わると倒伏しやすくなるため、施工したあと一気に倒伏が進んだものと思われます。

2.サウナ施設の水質問題

施工前の坪庭の全景。枯死したスギゴケが黒褐色に変わっている

苔庭への水やりの水は、地下から汲み上げた地下水を利用されていたようですが、その地下水のEC値が元々250を超える水質であったため、苔へのダメージが出て短期間で枯死してしまっていた状態でした。

根本的な問題を解決する苔施工のご提案

当初施工したスギゴケが痛んだ要因が特定できた状態で、この問題を解決するための苔庭施工のプランニングをご提案し、改めて苔施工をさせて頂きました。

  1. 水質適用力のあるハイゴケの選定
  2. ハイゴケに最適な下地の処理
  3. 水質改善の散水用浄水器の導入

1.水質適用力のあるハイゴケの選定

搬入したハイゴケ。育苗トレーに明るい緑の苔が詰まっている

今回はハイゴケにて、苔を再選定させて頂きました。ハイゴケはお庭に使われる苔の中で最も水質の変化の対応力のある苔。水質の問題がクリアされても、サウナ施設の水がかかったりすることも想定されることから、ハイゴケに統一させて頂きました。

2.ハイゴケに最適な下地処理

ハイゴケに合わせて配合した下地の上に、苔を貼り始めたところ

苔貼りで最も重要なのが下地作りです。苔に最適な下地を作ることで長期間の苔の定着、育成が可能になります。最適な下地処理がされていないと、苔施工後1年、2年と経過するごとに苔が衰退、枯死していきます。

ハイゴケは下地の対応力も広い苔ではありますが、枯山水で起伏のある下地で、元々はスギゴケが貼られていた黒土ベースの下地でしたので、その上にハイゴケに最適な下地の配合の層を作りました。

この最適な配合により、下地の起伏による水の侵食等による砂の流失を防ぎ、適度な排水、保湿を保ち、ハイゴケが長期間繁茂するための5年〜10年単位での長期的な育成を前提とした下地の形成を行いました。

3.水質改善の散水用浄水器の導入

導入した散水用の浄水器。ガラス戸の向こうに施工後の坪庭が見える

普段の水やりの水を取水する水栓は地下からの水ということで、簡易的に純水が作れる浄水器を導入いただきました。

この浄水器の導入により、EC値250前後だった水がEC値0〜10前後の純水に近い軟水で水やりを行うことができるようになり、苔への水の影響によるダメージも無くなりました。

定着したハイゴケの寄り。奥は白砂利

景石の際まで覆ったハイゴケ

苔の起伏と、そこに据えられた景石

白砂利の流れに沿って、苔が起伏をつくる坪庭

施工後の坪庭を上から見たところ。苔の起伏のあいだを白砂利が流れ、左右に景石が据わる

苔のある調和の取れた景色と共に、末長くととのう空間でつながりを。

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