コラム

暑さが続く夏場の上手な乗り越え方 〜夏バテ気味の苔テラリウムに活力を〜

連日の暑さで苔の色が黄色っぽくなってきたら夏バテのサイン。置き場所の見直しから、メネデール・ヒバオイルでの活力アップ、夜風に当てるコツ、冷蔵庫の野菜室への緊急退避まで、西予苔園が実際にやっている夏の乗り越え方をまとめました。

公開日:

こけみざわ ゆうき

苔テラリウムメンテナンス読了目安 約7分
暑さが続く夏場の上手な乗り越え方 〜夏バテ気味の苔テラリウムに活力を〜

連日の暑さで、苔テラリウムの様子がなんだか変わってきた…と感じていませんか?

「苔の色がなーんか黄色っぽい」 「全体的に、なんとなくフレッシュな感じじゃない」

タマゴケが夏場で少しバテ気味な雰囲気の画像

夏にこう感じたら、それは苔が暑さでバテているサインです。でも大丈夫。苔は少しくらい傷んでも、涼しくなればまた復活してくれる強い植物です。この記事では、西予苔園が実際にやっている夏の乗り越え方を、置き場所の基本から「メネデール」「ヒバオイル」の活力アップ術、そして意外と効く「夜風」まで、まとめてご紹介します。

苔の「夏バテサイン」を見逃さない

苔は高温が続くと、葉緑素が減って色が抜けていきます。緑の鮮やかさがなくなり、黄色っぽく、さらに進むと茶色っぽく変化していくのが典型的なサインです。

  • 全体的に色が黄色っぽくくすんできた
  • 新芽の伸びが止まって、動きがない
  • みずみずしさ・ツヤがなく、フレッシュな表情に見えない

目安になる温度は 30℃ です。室内でも30℃を超える日が何日か続くと、苔に傷みが出始めます。特にタマゴケは暑さに弱く、夏場は成長を止めて休眠状態のようになります。夏に元気がないのは、ある意味で苔の自然な姿でもあるんですね。

まずは基本。夏の置き場所をチェック

活力剤の前に、置き場所の基本を押さえておきましょう。

  • 直射日光は絶対NG。 夏の直射日光はテラリウムの中を一気に高温にしてしまいます。明るい日陰が基本です。
  • 人が快適に過ごせる場所に置く。 エアコンの効く部屋があればベストです。西予苔園のアトリエでは、夏場は28℃になると冷房が入り25℃程度まで冷やす設定にしていて、これで暑さに弱い苔もトラブルなく過ごせています。
  • 窓際の自然光で育てている方は要注意。 季節が進むと日の入り方が変わり、思わぬ時間に直射日光が差し込むことがあります。

困ったときの緊急手段。「冷蔵庫の野菜室」に退避

どうしても暑さから逃がしてあげられないとき、最後の手段として 冷蔵庫の野菜室に退避させる という方法があります。

こんなケースで有効です。

  • 暑い時期に数日家を空ける。 閉め切った真夏の部屋は、日中40℃近くまで上がることも。留守中に確実に傷みます
  • 日中エアコンを効かせられず、室温が30℃を超えてしまう。 仕事などで昼間は家に誰もいない場合など

真夏の閉め切った部屋で30℃超えが続けば確実に傷むので、それなら冷蔵庫に入れておくほうがずっと安全です。中でも野菜室は冷蔵室より温度がマイルドで、苔の避難場所にちょうどいい環境です。

「冷蔵庫の中は真っ暗だけど大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、扉を閉めて光が当たらなくても、数日〜1週間程度なら問題ありません。苔はそのくらいの暗さは平気でやり過ごしてくれます。帰宅したら、いつもの明るい日陰に戻してあげましょう。

あくまで緊急避難的な手段なので常用は不要ですが、「留守中に全滅していた…」という夏いちばんの悲劇を防げる、覚えておいて損のないワザです。

なお、テラリウムに苔以外の植物を同居させている場合はひとつ注意を。ジュエルオーキッドやフィットニアのような色付きの葉の植物は寒さに弱く、15℃を下回ると傷み始めるので、冷蔵庫退避には向きません。冷蔵庫が使えるのは、苔(とシダ)主体の作品と考えてください。

夏バテ気味の苔には「メネデール」

置き場所を整えたうえで、夏バテ気味の苔にぜひ試してほしいのが メネデール です。

メネデールは二価鉄イオンを含む植物用の活力剤で、肥料や農薬ではありません。無色透明で匂いもなく、テラリウムの景観を邪魔しないのもうれしいところ。ホームセンターに行けばまず置いてある、手に入れやすい定番品です。

使い方はとても簡単。

  • 霧吹きの水 500mlに対してキャップ1/2 ほど加える
  • それをいつもの水やりと同じように、シュッシュッと与えるだけ

西予苔園でも夏バテ対策として、この時期はスプレーの中に活力剤を入れて水やりをしています。与えておくと育ちが目に見えて良くなり、タマゴケをはじめどの苔にも使えます。暑さに弱い苔や、同居している植物のミネラル補給にぴったりです。

カビ予防と活力アップに「ヒバオイル」

もうひとつのおすすめが ヒバオイル(ヒバ油) です。ヒノキに似た良い香りのする天然のオイルで、通販でも手軽に買えます。

  • 霧吹きの水 500mlに対して1滴 でOK

たったこれだけで、夏のテラリウムに嬉しい効果がふたつあります。

  1. カビを抑えてくれる。 苔が好む高湿度の環境は、実はカビも生えやすい環境。気温と湿度が上がる夏は特にカビが出やすい季節ですが、ヒバオイル入りの水を与えておくとカビの発生を抑えられます。
  2. 成長を後押ししてくれる。 ホソバオキナゴケのように、もともとヒノキや杉の根元に自生している苔には特に効果的で、見違えるほど成長が促進されます。

ひとつだけ注意点。 コウヤノマンネングサにはヒバオイルを使わないでください。少量でもすぐに傷んでしまいます。品種を選んで使いましょう。

与えるタイミングは「夜の涼しい時間帯」

メネデールもヒバオイルも、与えるなら 気温が下がった夜の涼しい時間帯 がおすすめです。

暑い時間帯にたっぷり水を与えて容器の中が濡れたままになると、日中の高温で中の苔が「煮えて」しまうことがあります。夏の水やりは、量を控えめに・涼しい時間に、が鉄則です。

意外と効く!「夜風」に当てる

そしてもうひとつ、道具いらずで今夜からできるのが 夜風に当てる ことです。

窓を開けて、網戸ごしに外の夜風が当たるような場所にテラリウムを置いてみてください。日中の熱がこもった状態から夜のうちにクールダウンでき、それだけでもだいぶ違います。一晩夜風に当てるだけで、翌朝には見違えるほど植物たちがフレッシュな表情に戻ります。

エアコンのない部屋で管理している方こそ、ぜひ試してみてください。「夜だけでも涼しく」がポイントです。

夏を越えたら「ソーキング」でリフレッシュ

暑い時期を過ごした苔には、老廃物が溜まっています。夏の終わりには ソーキング でリフレッシュさせてあげましょう。

  • 容器に水を溜めて、30分ほど置く
  • そのあと水をしっかり抜く

これだけで、暑さでやられた苔の老廃物が流れて活力が戻ってきます。ただしタマゴケボールのように形が崩れやすいものは丸ごと水没させず、根元だけ浸して上からたっぷり水を流す方法にしてください。

茶色くなっても、あきらめないで

ここまで対策をお伝えしてきましたが、最後にいちばん大事なことを。

苔は、傷んで茶色くなっても復活します。

夏に30℃超えの日が続けば、タマゴケなどはどうしても色が変わってしまうことがあります。でも、茶色くなったところからまた新しい芽が生え変わってきますし、涼しくなる秋から冬にかけてしっかり養生してあげれば、また元の美しい緑に戻ってくれます。

「枯らしてしまったかも…」と落ち込む必要はありません。夏は無理に成長させようとせず、涼しく静かに過ごさせてあげる季節。そう考えると、少し気が楽になりませんか?

まとめ

夏の苔テラリウムを上手に乗り越えるポイントは、この3つです。

  1. 置き場所が最優先。 直射日光を避けて明るい日陰へ。30℃を超えない環境を意識し、夜は夜風に当ててクールダウン。どうしても逃がせないときは冷蔵庫の野菜室へ緊急退避。
  2. 夏バテ気味なら活力剤。 メネデールは水500mlにキャップ1/2、ヒバオイルは500mlに1滴。与えるのは夜の涼しい時間帯に。
  3. 傷んでも大丈夫。 苔は茶色くなっても復活する。夏はやり過ごす季節と割り切る。

色々工夫しながら、暑い夏を乗り越えましょうね〜。

暑い夏もEnjoy!! 苔Life!!

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