苔テラリウムの
よくあるご質問まとめ
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苔テラリウムに関することで、良くご相談頂くことをこちらのページにまとめています。
苔農家・苔作家
こけみざわゆうき
西予苔園
愛媛県西予市野村町という田舎で苔栽培をしている「西予苔園」の苔農家。苔テラリウム向けの苔を10種類程度、庭苔を2種類栽培栽培している。オンラインストアで苔、苔テラリウムの販売、テラリウム容器専門ブランド「Bioloark Japan(バイオロアークジャパン)」の日本販売代理店も行っています。
苔農家であり苔作家。愛媛新聞カルチャースクールにて毎月苔テラリウム講座を開催。YouTubeでは苔テラリウムメイキング動画を配信しています。苔を栽培している知識を活かし苔の生態を生かした苔テラリウムを作っています。
苔テラリウム全般についてのご質問
苔テラリウムを育てる上での最適な明るさは一般的には500Lux〜1500Luxと言われています。
Luxという明るさを示す単位(照度)で言われてもピンと来ないという方は「人が快適に生活できる明るさの場所」であれば問題ないということで考えて頂ければと思います。
その上で、さらに詳しく最適な明るさを知りたい場合は以下のページをご覧頂ければ詳しく解説しています。
直射日光が当たる場合や、極端に暑くなる場合、極端に暗いという場合を除いては問題なく置いて頂いても育成できると思います。自然光が入り程よい明るさがあれば良いでしょう。
もし程よい自然光が入らないという場合はLEDライトなど検討してみてください。
明るさと置き場所についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。
LEDライトについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
苔テラリウム容器が最適なものであれば、基本的な水やりスパンは週1回を基本と考えて頂いてOKです。
ただし、設置された環境で苔テラリウムの容器内の環境は左右されますので、その設置場所に応じて水やり回数を調整してあげる必要があります。
最適な水やりの回数や方法などは以下の記事を参考にしてみてください。
LED照明を使用して苔テラリウムを育てる場合の照射時間は8時間〜12時間の間が良いかと思います。
ただし、使用すするLEDライトの照度や光源の波長などによって最適な時間は調整する必要があります。
また、厳密な考え方をすると苔の種類によっても好む明るさや照射時間は変わってきます。
苔テラリウムでオススメのLEDライトや、ライトの特性に応じた照射時間などはこちらの記事を参考にしてみてください。
国家資格のような資格は無いですが、民間の協会や団体が独自で行っている認定資格や修了資格などはあるようです。
苔に関する良くあるご質問
苔は基本的に寒さに強く自然の気温の中でも凍ったりしますが、問題なく育成可能です。自然の温度変化の中で凍ったり解凍される分には問題ありません。
ただし、冷凍庫のように急速に凍ったり、マイナス10℃15℃と極端に低い温度で凍ってしまうと細胞が破壊されます。凍った場合もお湯や水などで急速に解凍してしまうと、それも細胞が破壊されダメになってしまいます。
あくまで自然に凍って自然に解凍される範囲であればということで問題ないという感じです。
苔が茶色になる要因は実は様々です。新芽が出たことによって世代交代し元の株が茶色になるという自然の摂理による問題無いケースもあれば、乾燥によるダメージで苔がダメになるという良く無いケースもあります。
苔が茶色になるケースを詳しく解説した記事がありますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
この現象は特にコウヤノマンネングサやオオカサゴケなど、直立する株の苔によくある現象です。自然の摂理でそのようになります。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
YouTubeでも苔が茶色になる原因を詳しく解説しています。参考にして頂ければと思います。
苔テラリウムショップなどで販売されている苔は、清潔に使って頂けるよう洗浄処理などを行っている苔がほとんどだと思いますので、購入後の殺菌処理などは必要ないかと思いますが、ご自身で山から採取してきた苔や山採りとして販売されている苔は殺菌処理など行って頂かないとのちのちトラブルが発生する可能性がありますので殺菌処理が必要になるかと思います。
土壌などをきれいに洗浄して処理し、植物用の殺菌剤などを用いることで、のちのちのカビ発生のトラブルリスクは低減されます。
苔は寒さに強い植物ですので、北海道や東北地域など寒い地域でも問題なく育てられます。
苔の根本などにフサフサにビッシリした糸のようなものが発生することがあります。それは苔の仮根です。苔は一般の植物のような根を持たない植物なのですが、自らの株を固定させるために仮根という糸のような根のようなものを出し、場合によってはビッシリと茶色い毛が生えたような状態になります。全く問題ありませんので安心してください。
苔テラリウムで苔を育てる場合は、肥料は必要ありません。基本的に苔は光合成によって自ら必要な栄養を作り成長していくからです。
数年育てていくと苔の育成に元気が無いな…と感じるときがあります。そういうときに年に1〜2回、液肥をごくごく薄い希釈にして与えることで、苔の成長に勢いが戻るということはありますので、たまーに与えることはあります。が、基本的には与える必要は無いものと思って頂いて大丈夫です。
ヒバオイルも定期的に使うことで、苔に活力が出てくる効果があります。500mlにほんの1滴ヒバオイルを希釈して与えるようにしてあげると良いです。
苔テラリウムは長期間容器の中で苔を育成させるために、トラブルが少なく、かつ植物が良好に育つように考慮された苔テラリウム専用のベースソイルを使用することを推奨します。
西予苔園のオンラインストア含め、苔テラリウム専門のショップさんなどでも販売されているものがあるかと思いますが、ご自身でベースソイルを配合してみたいという場合は、西予苔園のベースソイルの配合を参考にしてみて頂ければと思います。
以下の動画でベースソイルの配合を公開しています。
ミズゴケは水を好み乾燥が苦手です。室内では乾燥が進みやすく蓋なしの容器で育てるには難しいと思います。ですので、ミズゴケを室内で育てる場合は蓋ありの容器で育てることをおすすめします。
コウヤノマンネングサ編
コウヤノマンネングサは新芽が出てくると大きく伸びて容器の上部にまで達するケースがあります。
そのような場合は、新芽の根本をカットし植え込みし直してあげると良いです。
コウヤノマンネングサの新芽をカットして植え込み直した場合や蒔きゴケした、場合まれに成長が止まり全く変化が起きない場合もあります。その場合はそのまま放置しておくと1年後に小さな新芽が出てくることもあれば、そのまま腐ってしまう場合もあります。
良く観察して問題ないようでしたらさらに時間をかけて観察してあげて、明らかに腐っているような場合は取り除いてあげると良いでしょう。
コウヤノマンネングサは元の株のどこからでも新芽を出すことが可能です。基本的には根本から新芽を出すのですが、株の上部の葉先から新芽を出す場合もあります。
これは自然の摂理によるものなので問題ありません。
コウヤノマンネングサが上部から新芽を出すケースをこちらの記事で解説していますのでよろしければご覧頂ければそのメカニズムが理解できると思います。
コウヤノマンネングサの枝の葉先が茶色になる要因もいくつか考えられます。
- 暑さや乾燥によるダメージ
- 水道水の水が合ってない
- 明るすぎるためにダメージが出た
などです。
コウヤノマンネングサの葉先はとくにダメージが一番出やすい場所なので、すぐに茶色に変色しやすい場所です。
意外に盲点なのが、水道水のミネラルや塩素分などが葉先に蓄積してしまいダメージが出る場合。一般的な水道水であれば問題ないのですが、地域によってはミネラル含有量が高い地域もあるようなので、そのような地域の水を使用すると葉先が茶色に変色する症状が出る場合があります。
色々気をつけても葉先が茶色になりやすいという場合は、水を疑ってみるのも良いかもしれません。その場合はドラッグストアで販売している安価な精製水を与えてみて様子を見るてみるのも良いかと思います。
タマゴケ編
タマゴケの特徴的な丸い玉の蒴。茶色になってしぼんできたようなら、夏の暑さが本格的になる前には取り除いておくと良いでしょう。
そのまま置いておいてもすぐにトラブルになることは無いかもしれませんが、まれに放置していた蒴からカビが発生することがあります。念の為に取り除いておくと良いですね。
タマゴケの特徴的な目玉のような丸い蒴。あの蒴は実はタマゴケの精子と卵子が受精してできる胞子嚢なのですが、苔テラリウムで数年育てているタマゴケでは蒴を出すことがほとんどなくなります。
苔テラリウム容器内では精子と卵子の受精が行われることがほとんど無いからです。自然の環境だからこそ受精できるのですね。
苔テラリウムの中でタマゴケが蒴を出すのは、すでに受精済みだったタマゴケがたまたま容器の中に植え込まれ、その蒴が成長していたということになります。
ですので、数年単位で育ててみてタマゴケの蒴が出ないというのは、それはそれで正常です。毎年必ず苔テラリウムでも蒴が出ると思われていた方は残念ですが、それも自然の摂理ですね。
タマゴケは冬の寒い時期に新芽を出し旺盛に成長しますが、夏場の暑さには弱く暑い時期になると弱ってしまう苔です。夏場は茶色に変色しやすいので、暑い時期は水やり頻度を多めにしてあげて、もし全体的に茶色になってくるようなら同じ家の中でも可能な限り涼しい場所に移動してあげると良いです。
茶色になっても枯れて死んだ訳ではなく、夏場は休眠状態になっているだけの場合が多く、秋から冬になるとまた緑色の新芽を伸ばして元気な緑色に復活してくれますので、もし夏場に全体的に茶色になっても、同じように水を与えてあげてお世話してあげてください。
タマゴケの育て方についてはこちらのブログを参考にしてみてください。
オオカサゴケ編
オオカサゴケは砂状の用土か柔らかい腐食土などの土の上に自生していることが多いです。富士砂のような硬い大きめの粒のような用土での自生はあまり見られません。
できれば苔テラリウム用のベースソイルか、自然な用土を用いて育てたい場合はパウダー状の川砂のような細かい砂が適してます。かなり水分は多めで常に湿っているような状態がベストです。
オオカサゴケやカサゴケのように直立した二次茎を伸ばす苔は、一次茎から新芽を伸ばすのが一般的ですが、二次茎や葉の中心の茎から新芽を伸ばすこともあります。
このような現象を詳しく解説した記事はこちらにありますので参考にしてみてください。
オオカサゴケが上手に葉が開かない明確な要因は良くわかっていませんが、いくつか要因と思われる仮説はあります。
- 茎を伸ばしている時期に乾燥によるダメージのために成長が止まった
- 新鮮な空気が得られず葉が開く前に徒長してしまった
- 充分な光量が得られず葉が開かなかった
- たまたま開かない株だった
上記のような仮説が考えられます。私が苔テラリウムでオオカサゴケを育てていて葉が展開しない場合のケースは以下のような状態の場合に開かないケースが多いように見受けられます。
- 小さい容器で密閉気味な状態で育てた場合
- 光量が無い状態で育てた場合
- 乾燥状態で育てた場合
というような状態ではあまり葉が展開しないケースが多かった印象です。明確な理由はわかりませんが参考になれば幸いです。
オオカサゴケ・カサゴケは乾燥にとても弱く、葉は常にしっとりとした湿気を保つことが大切です。葉が乾燥してくると縮れるのですが、縮れる回数が多かったり、縮れた乾燥状態が続いてしまうと葉の縁から茶色に変色してしまう場合が多いです。
重ねて夏場の暑さによるダメージが加わるとすぐに葉の縁から茶色に変色してしまいます。
乾燥しないように容器内の湿度を高めに保ってあげるのと、適切な霧吹き回数を見極めて葉を常に保湿してあげるようにしてください。
苔テラリウムの容器についてよくあるご質問
苔テラリウムには様々なタイプの容器が用いられるようになってきましたが、基本的には適度な通気ができてフタが付いているタイプの容器が良いです。
苔テラリウムに適した容器はこちらにまとめて解説していますのでこちらの記事を参考にしてみてください。
DAISOさんやSeriaさんなどの百均ショップの容器も苔テラリウムに適した容器はたくさんあります。
西予苔園でも、DAISOさんのグラスを用いた苔テラリウムのメイキング動画を公開していますので参考にしてみてください。
グラス型容器などで苔テラリウムを作られる苔クリエイターの方も多いです。グラス型容器の場合は容器のフタを別途用意する必要があります。
ガラス蓋は苔テラリウム専門オンラインストアなどでも販売していますので参考にしてみてください。
容器がプラスティックやアクリルの容器であっても、保湿性がある程度保たれてかつ適度な通気性がある容器であれば問題ないかと思います。
苔テラリウムのトラブルについてのよくあるご質問
苔の中に虫の卵が混入していてその卵から虫がかえったのか、それとも幼虫が潜んでいたのか…。もし虫が発生してしまったら、見つけて取り除ける場合はピンセットなどで取り除いてください。
虫に荒らされた形跡はあるが虫がどこにいるかわからないという場合は、殺虫剤で退治するのが良いかと思います。こちらの記事に殺虫剤について解説していますので参考にしてみてください。
カビが発生した場合は、まずはカビ部分をピンセットなどで除去しましょう。
発生したカビを除去した後はカビ予防のための殺菌剤を使用してカビの再発を防ぐようにしてください。カビの殺菌剤などカビトラブルの対処法はこちらの記事を参考にしてください。
苔テラリウムの制作方法などについての良くあるご質問
苔テラリウムは長期間容器の中で苔を育成させるために、トラブルが少なく、かつ植物が良好に育つように考慮された苔テラリウム専用のベースソイルを使用することを推奨します。
西予苔園のオンラインストア含め、苔テラリウム専門のショップさんなどでも販売されているものがあるかと思いますが、ご自身でベースソイルを配合してみたいという場合は、西予苔園のベースソイルの配合を参考にしてみて頂ければと思います。
以下の動画でベースソイルの配合を公開しています。
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