西予苔園で栽培に取り組んでおりました「コウヤノマンネングサ」(学術名:Climacium japonicum)について、人工栽培に成功し苔テラリウム愛好家や苔愛好家を対象にオンラインストアにて販売を開始しました。
コウヤノマンネングサは、苔ブームや苔テラリウムの人気の高まりにより、苔愛好家の間では人気の高い苔です。

コウヤノマンネングサの自生種は近年その数が減少傾向にあり、多くの自治体で準絶滅危惧種や要保護性物として指定される希少種です。減少の理由の主な要因に園芸目的や販売目的による乱獲が問題視されています。

苔人気の需要の高まりと、苔の種の減少の課題を解決するため、西予苔園では2020年2月よりコウヤノマンネングサの栽培に取り組み2021年5月、販売できる数量までの栽培に成功しました。
全国的にもコウヤノマンネングサの人工栽培の例は少なく、栽培時に品種を確実に確認する検査「同定検査」を行った種ゴケを使用して栽培したコウヤノマンネングサの流通例も珍しく、苔愛好家や苔テラリウムの需要に応えていきたいと考えています。

現在は小売り販売のみ、西予苔園のオンラインストアで販売をしています。
今後は業者向けにトレー販売や大量購入に応えられるよう、栽培規模を拡大し継続的に栽培数量を増やす計画です。
西予苔園 Yuki Kokemizawa
コウヤノマンネングサ 学術名:Climacium japonicumの基本情報
コウヤノマンネングサは、学術名「Climacium japonicum」と表記されます。
苔の中では最大の苔で、ヤシの木を思わせる姿が特徴。その姿は苔よりも草のような印象から草という名前が付いています。
苔愛好家のバイブルである大型コケ図鑑「日本の野生植物―コケ」のコウヤノマンネングサの項目を引用すると以下の通りの記述です。

大型で美しい。一次茎は地中を長くはい,小さな鱗片状の葉と多くの仮根をつける。二次茎は長さ5-10cm,上部は湾曲し,多くの枝を樹状に出し,枝先は一般に細く尖る。二次茎の下方の葉は鱗片状。二次茎の基部から新しい茎を出す。枝葉は幅広い基部からやや狭い三角形〜披針形に伸び,長さ2.5mm以下、細く尖り,基部には縦ひだがあり,両翼は多少耳状。葉縁の上半部には鋭い歯がある。中肋は葉先近くに達し,背面に少数の歯がある。葉身細胞は狭菱形〜線形,長さ38 – 55 μm,やや厚壁。めったに蒴をつけないが,蒴柄は茎の上部に2 – 10本つき,赤褐色で長さ2 – 3cm。蒴は円筒状でやや傾くが,ほぼ相称。軸柱は長くて蒴の口から突出する。外蒴歯の上下にパピラがあり,下半部は平滑。胞子は径13 – 16μm。[染]n=11。山地の林下の湿った土地に群生する。[分布]北海道〜九州;朝鮮,シベリア,中国。[ノート]和名は,高野の万年草の意。
– 平凡社 日本の野生植物―コケ 岩]月善之助著 より引用 –
枝を伸ばす茎は二次茎となり、一次茎は地中に伸びており、一次茎から垂直に二次茎を伸ばして成長していきます。二次茎が成長すると上部が湾曲したくさんの枝を伸ばします。
1年を通じて冷涼で湿気があり、明るい風通しの良い日陰で育っています。
一般的には高冷地とされる場所や登山道、カルスト台地などの落葉樹の根本や渓流の側などでよく観察されます。
西予苔園がある愛媛県では、自生している場所がごく限られた場所にのみ確認できますが、自生しているコウヤノマンネングサを目にすること自体とてもめずらしい苔です。
昔は高野山の霊札として御札の中にコウヤノマンネングサを封入して御札にしていたことから、和名がコウヤノマンネングサと言われています。
苔テラリウムでは人気の苔で、単体で植え付けたり、石に巻きつけて着生させて育てたり、他の苔と組み合わせてアクセントに使われることが多く、苔ファンの間でも特別な苔として扱われています。
コウヤノマンネングサに似た苔で、同じ仲間のフジノマンネングサやフロウソウがありますが、これらの苔はいずれも自生する環境が限られていてどの苔も貴重な存在です。
コウヤノマンネングサは多くの自治体で絶滅危惧Ⅱ種などに指定されていて、要保護生物の苔でもあります。その要因は園芸目的などによる乱獲が大きな要因ともされています。愛媛県でも自生地の自然株は年々と減少や消失が確認されます。
西予苔園では、定期的に愛媛県の自生地を訪れ、分布確認調査を行いコウヤノマンネングサの自生株の保護活動を行っています。
コウヤノマンネングサを使った苔テラリウム制作キットも販売中です。
ありがとうございます。
コウヤノマンネングサの育て方はこちらの記事を参考にしていただければと思います。
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こんにちは
私はドイツから来て、ここでクライマシウム・ジャポニカムを購入しました。
残念ながら、販売店ではどの用土で育てられるか教えてくれませんでした。
そこで、皆さんのお力をお貸しください。
クリマキウム・ジャポナムにどの培養土や用土を使えばいいのか教えてください。
よろしくお願いします。
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Good day
I come from Germany and bought Climacium japonicum here.
Unfortunately, the dealer cannot tell me in which soil I can grow the moss.
I would therefore like to ask for your help.
Can you please tell me which potting soil or substrate I should use for Climacium japonicum?
With many thanks and best regards, Michael Garry Pfaff
コメントありがとうございます。
コウヤノマンネングサ (Climacium japonicum)の育成の用土ですが
自然に自生するコウヤノマンネングサ (Climacium japonicum)は
然の腐葉土で自生していることが多いです。
落ち葉が降り積もるような樹木の下で育っていることが多いです。
ですので、自然の腐葉土のような用土であれば育ちます。
テラリウム環境では、腐葉土は長期育成には適しません。
栄養素が多く、有機物が多いのでカビのトラブルに見舞われます。
テラリウムの場合は、私が販売しているようなテラリウム専用の用土を使用すると良いでしょう。
Thank you for your comment.
Regarding the soil for growing Climacium japonicum (Kōya-no-mannengusa):
In nature, Climacium japonicum is often found growing in forest humus.
It commonly thrives under trees where fallen leaves accumulate.
Therefore, it can grow well in soil that resembles natural forest humus.
However, in a terrarium environment, forest humus is not suitable for long-term cultivation.
Due to its high nutrient and organic content, it tends to cause mold problems.
For terrarium use, I recommend using a specialized soil like the one I offer.
ありがとうございます。
あなたの情報はとても役に立ちます!